2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

新興芸術派

けふは大正浪漫の原点にかへつて、昭和初期についてのお話にします。いろいろありますが、とりあへずは当時の文学とモダンガールのお話です。昭和5年ごろ、を名乗る一派があらはれます。龍胆寺雄、久野豊彦、浅原六朗、中村正常(中村メイコの父)、吉行エイ…

飛行機

わたしはときをり飛行機に乗ります。年の人にさう言ふと、なんと贅沢な、とあきれた顔でわたしを見るのですが、昔と違ひまして、飛行機は大変安い乗り物になつてゐるのです。十年ほど前は、国内の航空機はまだ運賃が高く、そのおかげで乗客も少なく、サーヴ…

洗濯の選択

わたしは洗濯が大好きです。なぜなら、汚れたものが、すつかりなくなる爽快感があるからです(ここは、フロイトを思ひ浮かべないやうにお願ひします*1)。わたしは皿洗ひもすきです。しかし、皿洗ひは、日本の低い台所では長く作業をしてゐると、すつかり腰…

L’amour et la mort

この頃、病死と愛をテーマにしたテレビドラマがたてつづいてありましたが、わたしはそれはたいそう悪趣味だと思ひまして見ませんでした。なぜかといふと、それは健康な人間は楽しめるのかもしれませんが、病人にはあまりよいドラマではないからです(わたし…

オーカッサンとニコレット 再び

『歌物語 オーカッサンとニコレット』をまた読みました。岩波文庫で、本文はたつた80頁なので、すぐ読んでしまひました。中世フランス文学の碩学による解説も、なかなか面白いものでした。『オーカッサンとニコレット』は團伊能といふ美術史家が、大正12年に…

オーカッサンとニコレット

『歌物語 オーカッサンとニコレット』Aucassin ef Nicolette*1(岩波文庫)を前半分だけ読みました。つづきは今読んでゐるところです。この物語は岩波書店のホームページの紹介によると、 「明るい南フランスのさる城主の若君が家老の養女に燃ゆる恋をしまし…

羊たちの沈黙

トマス・ハリス原作の『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『レッド・ドラゴン』は、わたしのすきな映画の一つです。三つ上げて、好きな映画の「一つ」は変ですが、三つで一つですから、よいのです。ハンニバル・レクター博士が三つの位格(personalite)であらは…

文字禍

『小林よしのり 目の玉日記』*1を立ち読みしました。わたしは子供の時、目の玉のことを「めんたま」と呼んでをりました。わたしは小学生の時に、関東に引つ越してきました(引越しはこの後も続きます)。それまで地方にゐたわたしの言葉は、「めんたま」など…

きのふの夜は、にはかに大雨がふりました。わたしはあわてて、いつもたづさへてゐる緑色の折りたたみ傘をさしました。かさのおかげで、わたしはぬれずにかへつてきました。ぬれたかさをそのままにしておくと、さびてしまふので、わたしはベランダに干すこと…

年を歴た鰐の話

レオポール・ショヴォ(Leopold Chauveau 1870-1940)の『年を歴た鰐の話』(Histoire du Vieux Crocodile) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163221905/qid=1142346688/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-0211859-6730717 を読みました。細長い形をした本…

雪萬家

富山県では、けふ雪がふつたさうです。三月でだいぶんあたたかくはなりましたが、まだ雪が降るところもあるのですね。わたしは雪が好きなのですが、それは雪の少ない地方でしか生活したことがないからなのでせう。そして、わたしは寒さには滅法強いのです (…

餃子

餃子をたべました。写真は大久保駅近くで大量に購入した餃子の一部です。たいそうおいしかつたのです。餃子(jiao zi)は、中国ではほとんど水餃子で、焼き餃子は東北部、満洲地域でしかたべないときいたことがありますが、真偽のほどは分かりません。日本で…

春 printemps

この頃は天気がめまぐるしく変はります。なかなかついてゆくのが大変です。けふはすつかり晴れて春の陽気です。わたしはけふは外に出られないので、面白くありませんが、一人でうろちよろしても面白くありませんので、窓から外を眺めてゐます。この頃は「ロ…

三信ビル

パソコンや携帯電話などの精密機械は製造過程でいろいろと悪いものを出すさうです。バッテリーや半導体の製造はクロムやダイオキシンを伴ひます。かうしたものをつくる工場が中国などの汚染物質に寛大な国で行はれてゐるわけです。ばらまかれたクロムやダイ…

はと

ピジョン(pigeon)が階段で休んでゐました。泣くな小鳩よ。心の妻よー。といふ岡晴夫の歌を思ひだしました。近づいても、はとは逃げようとはしません。わたしは鳥を飼ひたいのですが、感染症がこはいので、飼ひません。はとといへば、鎌倉の鳩サブレーが大…

雨さゐさゐ

雨がさゐさゐとふつてゐます。わたしは雨にうたれて立ちつくしてゐます。雨傘を忘れました。空は真つ白で、うすぐらく、まだ昼間のはずなのに、いまは午後三時なのか、それとも日暮れなのか、見当もつきません。さゐさゐとふつてゐた雨が、しだいに強くなつ…

砂のふね

それは夜のやうでした。深い眠りを楽しんでゐたのですが、いつの間にか目がさめたやうです。眠い目をこすりながら、半身を起こしてみました。でも、まだ夜のやうです。あたりはまつくら。いえ、まつくらなだけではなく、向かうのはうからあかあかと光がさし…

グリーンカレー

わたしはカレーが好きで、一時は毎日のやうにたべてゐましたが、もともと丈夫ではないので、今は控へて、時々いただいてをります。数日前は、グリーンカレーをつくりました。これはタイのカレーで、グリーンカレーの素と茄子やたけのこ、鶏肉を炒めて、ココ…