記憶

kimikoishi2007-07-26

A君と遊んでいたら、たまたまそこに来たB君と知り合いになりました。

B君とは初めて会ったのですが、どうやらA君の友人のようです。

3人は一緒になってしばらく遊んでいました。なにをして遊んだのか忘れましたが、とても楽しかったのを覚えています。

やがて、夕方になったので、3人の母親が連れ立って迎えに来ました。

じゃあね。またね。と3人は、それぞれの母親に連れられて、家に帰りました。

それから何日かたって、A君とまた遊びました。

B君は今日はこないの?

と、わたしはA君に聞きました。

誰それ?

A君は言いました。

なんだい。この前遊んだじゃない?

わたしは言いました。A君はなにをとぼけているんだろう? わたしは少し憤慨しました。

いや、そんなやつしらないよ。

A君は言いました。なんだなんだ。なにをとぼけているんだ。

でも、A君はまじめな顔をしています。おかしいな。とは思うのですが、それ以上、抗弁しても仕方がないと思ったので、B君のことは忘れて、遊びをつづけました。

しばらくして、夕方になりましたので、家に帰りました。

母親に今日のことを話しました。そして、A君のやつ、B君なんか知らないととぼけたんだよと言いました。

すると、

A君の他に誰かいたっけ??

と母は言いました。

わたしはびっくりしましたが、A君と示し合わせてふざけるわけがありません。

おかしいな。おかしいな。と思いはしましたが、一度きりしか会ってない人のことだし、それ以上、しつこく言う気もしなくなって黙りました。そもそも、それ以上言おうにも、B君の正確な情報は何も持ち合わせていなかったのです。

次の日、またA君に会いましたので、B君なんてしらないなんてうそだろう?と言ってみました。

ううん。しらないよ。誰それ?

やはり、B君は同じことを言いました。わたしはすっかり途方に暮れて、なんだか胸がきやきやとするような変な感じがしましたが、

そうか、そんなやつはいなかったんだな。

と思うことにしました。そう思わないとなんだか困ってしまうと思ったからです。