2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

続 みづうみ

(承前)雪の道をやっとのことで登って、おそろしい坂をも下ったのですが、みづうみはすっかり凍っていました。周囲の真っ白な雪とみづうみの区別がつきません。こんなこともあるさ。と、口をきつねのようにあけて、ぽかんと見ておりました。びうびうと風が…

みづうみ

主は仰せを地に遣わされる 御言葉は速やかに走る 羊の毛のような雪を降らせ 灰のような霜をまき散らし 氷塊をパン屑のように投げられる 誰がその冷たさに耐ええよう 「詩篇」(147) わたしは山の中にいました。国定忠治や東海林太郎の「赤城の子守唄」で有…

龍膽寺雄

龍胆寺雄は明治34年に茨城県の下妻に生まれて、主に昭和初期に活躍し、平成4年に亡くなつた小説家です。*1わたしは高校生の時に、龍胆寺の作品を愛読してをりました。龍胆寺については、以前にも少し書きましたが(http://d.hatena.ne.jp/kimikoishi/2006033…

レストラン

大学生の時、わたしが好んで通つてゐたレストランがありました。レストランはお寺の門前町にありました。お店は平屋の木造家で、格子戸をがらがらと開けて入ります。さうすると、シェフがはい、どうぞいらつしやいと迎へてくれます。わたしは上得意客で顔な…

生を愛す

1986年のユーロヴィジョンで、ベルギー代表で優勝したサンドラ・キム(Sandra Kim)の J'aime la vie(わたしは生を愛す)です。演奏から服装に至るまで、なにからなにまで、1980年代といふ感じが致します。とても活気のある時代でした。わたしはそんなに好…

眼鏡

わたしが眼鏡が好きです。わたしがかけてゐるのは、今はやりの太い縁のおしやれな眼鏡(大橋巨泉の眼鏡のやうなのではなく)ではありません。縁なし眼鏡を愛用してをります。ほんたうは、鼻眼鏡にしたいのですが、これはなかなか運動には不向きで、サッカー…

対話の可能性

ある人が雑誌の対談を見ておりました。それは、学術系の一般向け雑誌でした。そして、その人は嘆息して、次のように言ったのです。よくもまあ、こんなにいろんなことを覚えていられるものだなあ。その対談は学者二人によるもので、本の名前や本の引用が次か…