2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

九鬼周造

「媚態とは、一元的の自己が自己に對して異性を措定し、自己と異性の間に可能的關係を構成する二元的態度である。さうして「いき」のうちに見られる「なまめかしさ」「つやつぽさ」「色氣」などはすべてこの二元的可能性を基礎とする緊張に外ならない。いは…

小林秀雄

少し前に、「昭和イデオロギー」といった感じの題の本を必要があって読みましたが、著者が日本文学の人でしたので、話題は思想ではなく文学が中心でした。そのなかに、小林秀雄の「社会化した私」という言葉についての記述がありました。社会化した私でなく…

夜明けの国

「夜明けの国」という映画があります。これは、1966年の中国の技術革新を取材した日本の映画で、1967年に公開されました。岩波映画が撮ったものです*1。1966年の中国といえば、無産者文化大革命が起こった年です。文化大革命は農業立国と共に技術立国を目指…

Gigliola Cinquetti(ジリオラ・チンクエッティ)の La pioggia (雨)といふイタリアの流行歌があります。1960年代末の歌です。雨ばかりつづいてゐるこの頃にはぴつたりの曲です。それにしても、涼しくて助かります。この歌を耳にして思ひだしたことがありま…

変態がな

さて、右の文字はなんと読むのでせう? 曲線がうまく出ないので若干変ですが・・・わたしはひねくれものなので、正解が一つしかないテストやクイズは大嫌ひなのですが*1、たまにはよいでせう。わたしは子供の頃に、ふと思ひたつて旧字・旧仮名遣ひ(正字・歴…

REX MUNDI (世界の王)

荒俣宏氏の『レックス・ムンディ』(集英社、1997)を読んでいます。とてもよいです。アマゾンの書評では、小説としてのつくりは余りよくないが、内容は秀逸だとありました。なるほどと思いました。でも、書評にもあったように、それはこの本の価値と面白さ…

古本

昔買ひはしたものの、その著者が嫌ひでしやうがなくなつて、結局読む気も失せてしまつた本がある場合、普通はどうするものでせう? わたしは途方に暮れました。でも、一応策を立ててみました。1、たたきうる 2、捨てる 3、人にあげる 4、火をつけて暖を…