美味礼賛

kimikoishi2007-01-11

わたしは廿歳前後の頃、無茶苦茶な食生活を送っていたことがありました。

朝はなし。昼はインスタントラーメン。夜はボンカレーに缶の野菜ジュースです。

これを毎日のように繰り返していました。夜に、たまにカレーを自作したり、親子丼を作ったりもしましたが、菓子パン三つだけという日も少なくありませんでした。書籍代を捻出するために食費を削っていたのです。

缶の野菜ジュースは、これできっと一日分の営養が取れるだろうという浅はかな知恵から飲んでいたのですが、それでは到底足りないようでした。売っている野菜ジュースは、やはり自分で野菜を潰して作った新鮮なものとは、かなり違うもののようです。

やはり、インスタント食品というのは身体にいいものはないようで、わたしは一年中風邪ばかり引いていました。

しかも、いったん風邪を引くと、二週間も治らないのです。それは、早めに風邪薬を飲んでいたことが悪化の原因だったのですが(風邪だなと思ってすぐに飲むのはよくないそうです)、基礎的な営養が足りていないことも大きく災いしていました。

さらに、知人から聞いた「風邪を早く治す方法」も大いに間違っていたのでした。

それは、かういふ方法です。※ よい子のみなさんはくれぐれも真似しないやうにお願ひします。

1、まず、営養ドリンクと解熱剤を飲みます!
2、銭湯に行きます。できるだけ熱い湯のところを選ぶこと。サウナはなおよい!!
3、できるだけ長く漬かること。汗を出しまくること。解熱剤のせいで気持ちよいほど汗が出ます!!!
4、身体を冷やさないようにして、すぐに家に帰って布団に入って寝ます。翌朝にはすっかり元気に!!!!

は、なりません。

友人は恐ろしく頑健だったのでしょう。彼も毎日ラーメンという悲惨な食生活で、風邪ばかり引いていたのですが、猛烈に太っていたので、余力が残されていたのでしょう。これですぐに熱が下がり、翌日にはすっかり元気になるそうなのです。

しかし、わたしの場合は駄目でした。38度あった熱は、翌日ぐんぐんとあがり、39度を超えていました。

おかしいな。もっとお湯に長く漬かっていなければいけなかったかな?

そうではありません。

結局、10日以上も37度より熱が下がることはありませんでした。ちょうど、大学の定期試験期間中で、わたしは38度5分の熱でふらふらしながらいくつもの試験を受けました。

食生活は近年の日本人の生活においては、とてもいい加減なものになってしまいましたが(それは、グルメや美食とは違います)、食事は人間の健康を左右します。悪い食生活に、さらにストレスが加わると、おそかれはやかれ病気になってしまいます。転ばぬ先の杖が必要です。

病院にゆきますと、健康で生きているのは奇跡のようなことなのだと、いつも思います。どの年代であろうと、病気の方はおられます。たしかに、病気になるのは年とった人が多いのですが、若いから大丈夫ということにはなりません。実際、お墓にゆくと、事故の方もあるでしょうが、20代であろうと、30代であろうと、40代であろうと、亡くなっている人がたくさんいることが分かります。そして、50代、60代は、とくに集中的に多いようです。

健康でありつづけたいのであれば、食生活をなるべく身体によいものにして、ストレスを減らして怒ることのないように努めなければなりません。そうすれば、かなりの割合で病気はあらかじめ追い払うことができるでしょう。

そのために、わたしはなるべく偏食せず、変な薬品が入っていない食品を選ぶようにしています。食品会社が経済効率化のために使っている薬品を大量に食べて死ぬのだけはごめんです。

昔、公害が叫ばれましたが、食品に入っている薬品は遅効性なので、公害のように因果関係を問うことができません。罪にならないので半分野放しで入れ放題なのです。厚生省が食品に添加することを禁止している薬品は危険なものの一部でしかないようです。アメリカでは禁止している薬品が日本では許可されていることもあります。発癌性のある薬品のかなり多くが許可されています。

食品会社がどこもみな悪いことをしているわけではありませんが(最近、不二家が期限切れの牛乳を使用していたことが露見しました。子供にそんなものを食べさせるなんて残念なことです。不二家の前で、不二家のために暴れている子供に申し訳が立たないではありませんか*1)、悪いと分かっていても効率化と競争のためにはやむをえないのでしょう。それを支えるか支えないかは、消費者の選択に責任があるのかもしれません。

牛乳もわたしが廿歳前後のときは4日目ですっかり腐っていましたが、その後だんだん腐らなくなってきました。4日目で腐る牛乳なぞ、最近はついぞお目にかかりません。腐らない薬入りのものを飲んだり食べたりすると、腐りがちなわたしも腐らなくなる、というのなら嬉しいのですが、そうはならないようです。

でも、薬品が入っていないものばかり食べるのは、なかなか難しいのです。

皇室には、専用の畑があるそうで、奇妙なものは一切召し上がっておられないそうですが、とてもうらやましいです。わたしはどうしても変なものを食べずに生活することはできません。まあ変なものも、たまには良いものです。わたしの大好きなお菓子には結構変なものが入っています。化学反応による突然変異で、すばらしく頭が良くなると嬉しいのですが。

*1:腐ってるから駄目ヨとお母様に言われたら、子供は諦めるしかありません。