こぞの雪と美神の午餐
François Villon(1431-1489), Ballade des Dames du temps jadis
いづくにや 才媛エロイーズ
ために宮され 僧となりたる
アベラールは サン・ドニに
愛がため 苦汁を嘗めたり
かねて思へば いづくにや
ビュリダンをぞ 袋にはふり
セーヌに投げよと 命ぜし女王
さはれ こぞの雪いまいづこ Mais où sont les neiges d'antan!
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暑い日が続くと、早くも去年の雪が懐かしくなります。ヴィヨンの詩を思ひだしました。古いフランス語の味はひは出せませんが、訳してみました。
さういへば、このごろ朝も昼も夜も、ミューズリー(Muesli)ばかりたべています。ミューズリーとは
http://allabout.co.jp/gourmet/stylishrecipe/closeup/CU20040707A/
と、こういうものです。鳥のえさだのなんだのと悪評もありますが、じつにおいしく、キャラメルではありませんが、滋養豊富、風味絶佳です。健康食でもあって、高血圧や糖尿病によいそうです。
http://www.somos.co.jp/somos/muesli.htm
ミューズリーの特徴はとても硬いことにあります。鳥のえさだと痛罵されるわけです。ミューズリーを牛乳につけて冷蔵庫に一晩おいて柔らかくする方法もあるそうですが、わたしをして言わしめれば、そんなのは邪道です。わたしも牛乳こそかけますが、かけるやいなや、すぐにたべます。
ミューズリーは雑穀ですので、とにかく硬いです。わたしは硬いたべものが好きなので、ねずみのごとく、必死に噛んで食べます。
わたしの持論では、当今の日本人が弱弱しいのは、硬いたべものをまったく食べないことにあると思います。
柔らかいたべものばかり食べていると、ぐにゃぐにゃした人間になってしまいます。子供の頃は、酢を飲むと、体がぐにゃぐにゃになってサーカスに売られると言われたものですが、そのほうがまだましです。体の節々は硬いのに、精神惰弱の人間が当今の日本にはうようよしています。これではいけません。
試練ノ嵐猛ルトモ、断固ト守レコノ正義、進マン道ハ一ツノミ。御威津ヲ戴キ、皇運ヲ扶翼シ奉ル(最近戦争中の文章を読むことが多く、ついつい釣られます)ためにも、みなさんミューズリーを食べませう。
まあ、実のところ理由は何でも良いのです。硬いものをたべませう。日本のたべものはやわらかすぎます。歯が丈夫なうちはどんどん硬いものを食べなければなりません。げつ歯類の総帥として、わたしは宣言するのです*1。
さうです。ミューズリーをたべると、美の女神 Muse になれるのです。
*1:わたしは出っ歯ではありません。ちなみに、出っ歯というものは、硬いものを幼いうちから適度に食べていれば治ると思います。口腔の狭さのわりに歯が大きいというアジア人の特性で、ある程度の出っ歯は防げませんが。