ねこめいし
ブックオフでよい本を百円でみつけて、買ひました。うれしいです。
西洋の思想史をいろんな角度から見た本です。魔術についても書いてあります。
廿年前に平凡社から出た実にペダンチックな本です。この頃はあまりさういふペダンチックで、かつ、ばつさりと横断的に物を切つて見るやうな本はあまり見かけません(あつたらをしへて)。
こまこまと細部にのみこだはる本はあいかはらず健在なやうで、めんどくさがりなわたしとしては、単調な記述が続くだけの本はどうも苦手でなりません。
もつとも、「自我の哲学史」(講談社現代新書、2005)はお勧めです。講談社現代新書にはお勧めしたい本が数多くあります。お勧めしないのも多くありますが、わたしが一番愛読してゐる新書は講談社現代新書です。
この頃は新書がどつさり出て、なかには、一ヶ月もかけないで書いただらうと思はれる愚書も散見されますが、新刊点数をとにかく多くせねばといふ現今の出版事情ではやむをえないのかもしれません。しかしそのお陰で、地方にゆくと、講談社現代新書を置かない本屋さんが多くなりました。お堅い本といふのは、どんどん片隅に追いやられてしまひます。
でも、それも仕方がないのでせう。べつに本を読めば偉いとか、幸福になるとか、人間的に立派だといふのは幻想でしかないのですから。「声を出して読む日本語」の著者は、本を、古典を読まないと人間はアホになる、と盛んに主張していますが、本をさんざん読んできたのであらうあの方は、あまりわたしには魅力的でないのです。
でも、テレビジョンの変な番組はほんたうに勘弁して欲しいと思ひます。ぎやわぎやわと大勢で騒いでいるだけの時間空費型の番組が増えたのは、ここ最近のことでせうか。それとも、もつと長い歴史があるものでせうか。ああいふぎやわぎやわにぎやかな番組は、さびしくてたまらない人が増えてゐるから支持されてゐるのでせうか。たしかに、さういふ番組をつけておくとにぎやかです。部屋の中に五十人くらゐ、たむろしてゐる感じになります。内容でなく、騒音を楽しむといふあたり、じつに日本人らしい楽しみ方です。
さうさう。きのふ、ねこめいしも仲間に加はりました。
ねこめいしは年をとつたお祝ひにもらひましたのです。
ねこめいしは黄色くて飴のやうで、じつにおいしさうです。檸檬好きにはたまりません。
ねこめいしはキャッツ・アイとも言ひます。
猫の目のやうにあやしく光ります。つやつやとしてゐます。