地底
地の底へぐんぐんと落ちてゆく夢を見ました。
ゆつくりとくらいなかを落ちてゆきます。寝たまま、ゆつくりと落ちてゆきます。
ふだんなら、かういふ夢は、わたしがベツドからほんたうにおつこちてゐて、はつと目が醒めて、あゝ、たすかつたとほつとするものなのですが、今度はちがひました。
落ちても落ちても、なかなか、目が醒めません。そして、底には辿り着かないのです。
落ちる速さからして、海の底へしづんでゆくやうな感じです。
これで目覚めなかつたら、わたしはどこにゆくのでせう。
さういへば、白い光がぱあつと四方八方に空に開いてゐる夢を見たことがあります。
そして、その夢では、わたしはすいすいと空を飛んでをりました。