書痴

十二日のてれびのダヴィンチ特集のことを、また思ひ出してゐます。

マグダラのマリアを祀る教会として、番組では、Saint MaximinにあるSaint Marie-madeleine、Rennes-le-chateau、Sainte Baume(洞窟にあるさうです)があがつてゐましたが、二番目のレンヌ・ル・シャトウのソニエール(Sauniere)神父は、秘密文書を発見し、大金を得て、教会を大きく立て直すことが出来たさうです。


秘密文書はシオン修道会(巴里のシオン修道会の会員が番組に登場しましたが、をかしいくらゐ胡散臭い人でした)とのつながりがあるものださうで、その辺は「ダヴィンチ・コード」といふ本に書いてあるさうなのですが、秘密文書を見つけて解読し、大金を手にする話はきのふ書きました錬金術ニコラ・フラメルの話と同じなのですね。


わたしは大金は別に欲しくないのですが(大金をもつと堕落しさうなので)、少しは欲しいので、何か秘密文書を探してみようと思ひました。勿論本気ではありません。


ダヴィンチ・コード」はわたしは読んだことがないのですが、古本屋に並んで、百円になるのを、いまかいまかと待つてゐます。百円は大金で、大正時代なら本が九十冊は買へます。でも、本の内容は番組で殆んどばらしてゐました。
あへて、こゝには書きません。少し書いてしまつたけど。


清帝國の怪異物語集「聊斎志異」(蒲松齢作)に、「書痴」といふ話があり、そこに何といふ本からの引用か忘れましたが、かういふ一節がありました。


書中自有千金粟


つまり、本をよめば、自然と大金が手に入るといふ教へです。何とかいふ本の「勧学篇」からの引用です。
今は之は通用しませんね。何を隠さう此わたしが其証拠です。
清の時代もすでにさうだつたみたいで、本ばかり読んで試験勉強をしない書生が登場します。
そこに不思議な美女が本の中から登場し・・・