錬金術師

kimikoishi2005-03-13

錬金術で賢者の石といはれるものがあります。
ハリーポッター」が人気になつてから、さういふ変なものも
だいぶん知られるやうになつたみたいですが
(すこし前迄は、人前で其様な話をしたら、をかしい人と思はれたでせう)、
それは、鉱物を金にしてしまふ秘薬になるものです。
賢者の石がないと、たゞの石は金にはならないといふわけです。


賢者の石のことは、古代の魔法書(たとへば「ヘルメス文書」など)に書いてあります。
しかし、象徴的な表現で書かれてゐますので、素人が読んで分かるものではありません。
これを読み解いて、つひに賢者の石を発見した人が実際にゐたさうです。
それが、ニコラ・フラメルです。


わたしの数少ない自慢の一つは、このニコラ・フラメルの住居を
たづねたことにあります(何の自慢にもなりませんが、本人が勝手に誇つて、
人は自慢と受け取らない自慢は罪が無くて良くはありませんか?)。
それは、巴里三区?にありまして、1407年の建物です。
いまも人が普通に住んでゐます。一回はレストランです。


それは兎も角、「賢者の石」といふと、どうも其様な石ころがあるみたいなのですが、
じつは石ころといふわけではなささうなのです。
何うも、世界の作り方の秘密(神が世界をつくつたわけですから、神のみぞ知る秘法)、世界の成り立ちの法則そのものを知ること、手に入れることを、賢者の石を手にするといつたやうなのです。


つまり、錬金術師は何も金儲けだけが目的だつたのではなく(さういふ人もゐたでせうが)、基督教が禁じた世界のすべてを知ることが目的だつたわけなのです。
だから、ニュートンなんかも、錬金術に通じてゐたらしいのです。


(ナカナカ大正時代の話になりませんが、そのうちさうします)