サヴァラン

kimikoishi2006-01-04

森茉莉は『貧乏サヴァラン』といふ本を書いてゐますが、オムレット・ナチュウル(プレーンオムレツ)のことを実においしさうに書いてをりました。わたしもおいしいオムレットの作り方を習得したいものでございます。

世界遺産モン・サン・ミッシェルにある料理店では、オムレットが有名ださうですが、10€くらゐでしたつけ。わたしはたべてゐませんので、味は知りません。

それはさうと、ブリヤ・サヴァラン Brillat Savarin(1755〜1826)は十八世紀の生理学者で、『美味礼賛』Physiologie du gout ou meditations de gastronomie transcendante(『味覚の生理学、あるひは超越的美食学の諸瞑想』)を書いたことで有名です。

サヴァランは美食家の大家として有名ですが、わたしはこの「美食家」が大嫌ひで、なぜかといふと、わたしは貧しくて、おいしいものはたまにしかありつけないからです。
しかも、あの店がうまいといふ話は、わたしにとつて退屈で(行けないから。しかも信用できないから)、かといつてあの店はまづいといふやうな話は、そんなことを公言するのは品がないやうに思ひます。

しかも、美食家には顔のよろしくない、体格のよろしくない、たべかたもよろしくない、といふ三拍子そろつた方が散見されます。大いに厭です。

しかし、サヴァランの『美味礼賛』はさういふ本ではありませんでした。

なぜ、わたしがサヴァランの話をしてゐるかといふと、そこに「痩身法」がのつてゐるからです。おいしいものはとくにたべてゐないのに、このごろじりじりと肥えつつあります。サヴァラン先生に従つて何とか危機を脱するつもりでゐます。